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2013/08/20 営業秘密管理指針の改訂

営業秘密管理指針が改訂された。
平成15年に発表されてからすでに10年以上が経過する中
今回で4度目の改訂となるが、どの程度浸透したのだろうか。
不正競争防止法による営業秘密の保護は
法的担保をすることで一定の抑止力効果が見込まれる。
だが、一方で営業秘密の知的資産としての価値を
定量的に測ることがなかなか難しい側面もあり
結果的に経営者の裁量に委ねられるケースが多い。


顧客情報や従業者情報など個人情報が営業秘密に該当することは
多くの事件・事故で注目を集める結果となった。
不正競争防止法における営業秘密侵害罪を問われるケースが増えたためである。
多くの場合は就業期間内での不正取得や不正開示である。
こうした不正行為は金銭的動機によるものが多いが
必ずしもそればかりといえないケースもある。


例えば、転職の際のキャリア評価として
これまで携わってきた業務内容や経験上得た知見は
求人側にとって大きな関心事であるとともに
求職者にとっては有効なアピールポイントとなる。
双方の思惑が合致すれば“採用”となるケースもあるだろう。
この場合、求職者の知見や人脈といった無形の資産の帰属先が
どこにあるのかはグレーゾーンとなる場合が多い。


一般的に業務上知り得た情報について秘密保持契約を結ぶ
あるいは就業規則において秘密保持義務を負うことが多いが
雇用関係が解消された場合の有効性については疑問が残る。
そのため退職時に改めて秘密保持契約を求めるケースも増えてきたが
今回の改訂ではさらに踏み込んで競業避止義務契約のあり方について検討が加えられている。
また「競業避止義務契約の有効性について」という資料も公開された。



○競業避止義務契約の有効性に係るまとめ(抜粋)


競業避止義務契約締結に際して最初に考慮すべきポイント
・企業側に営業秘密等の守るべき利益が存在する。
・上記守るべき利益に関係していた業務を行っていた従業員等特定の者が対象。


競業避止義務契約の有効性が認められる可能性が高い規定のポイント
・競業避止義務期間が1年以内となっている。
・禁止行為の範囲につき、業務内容や職種等によって限定を行っている。
・代償措置(高額な賃金など「みなし代償措置」といえるものを含む)が設定されている。


有効性が認められない可能性が高い規定のポイント
・業務内容等から競業避止義務が不要である従業員と契約している。
・職業選択の自由を阻害するような広汎な地理的制限をかけている。
・競業避止義務期間が2年超となっている。
・禁止行為の範囲が、一般的・抽象的な文言となっている。
・代償措置が設定されていない。


労働法との関係におけるポイント
・就業規則に規定する場合については、個別契約による場合がある旨を規定しておく。
・当該就業規則について、入社時の「就業規則を遵守します」等といった誓約書を通じて
 従業員の包括同意を得るとともに、十分な周知を行う。



尚、資料は昨今の判例をもとに競業避止義務契約の有効性について検証されたものであり
上記にあるポイントを抑えておくことが結果として同契約の有効性を担保するものだ。
具体的な指針として参考になる部分が多いと思われる。



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