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2013/09/03 パーソナルデータと環境整備

政府は公共データの民間開放(オープンデータ)を推進するとともに
ビッグデータを活用した新事業・新サービスの創出を促進する上で利用価値が高いと
期待されている「パーソナルデータ」の利用を促進するための環境整備等を図るとして
IT総合戦略本部の検討会が始まった。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pd/dai1/gijisidai.html
これまでに検討すべき課題として個々に取り上げられてきたものを集約し
法制度の見直しを含め抜本的なルール整備に着手したようである。


 1.パーソナルデータの保護の必要性と保護範囲の明確化
  現行の個人情報保護法を遵守していてもパーソナルデータの取扱いについて
  プライバシー保護が不十分と見なされる事案が多く発生している状況に鑑み
  これまでの各省庁における先行的に行われた取組を踏まえつつ、一般的な国
  民の感覚に適合した枠組みを構築するためパーソナルデータの保護の目的を
  明確化するとともに保護されるべきパーソナルデータの範囲について検討す
  べきではないか。


まずは、これらの検討が急がれる。
近年、プライバシーに直結する情報が電子化され、集約され、紐付けされ
本人が気づかないところで分析され利用されているケースが目に付く。
本人関与の権利があったとしても知らなければ何もできない。
保護すべきパーソナルデータとは何か
保護するために講じるべき措置とは何かを明確化することは不可欠である。


 2.現行法における個人情報の範囲の明確化と取扱事業者の要件の検討
  個人情報保護法における個人情報への該当性にあいまいさがあるため、どの
  ようなデータであれば自由に利活用できるかが判然とせず、利活用を妨げて
  いるとの声がある。パーソナルデータの利活用に当たっては、そのデータの
  種類、使用方法等により、保護すべき範囲についてケースバイケースで判断
  せざるを得ない面があるが、現行の個人情報保護法の解釈において可能な限
  り明確化することを検討すべきではないか。
  さらに、個人情報取扱事業者の要件について、情報通信技術の進展、プライ
  バシー保護意識の高まり等を踏まえ、現行要件(個人数:5,000)についても
  見直すことの可否を検討すべきではないか。


ビッグデータの利活用において
特にパーソナルデータの取扱いについては個人情報保護法が
妨げになっているとの記事をよくみかけるが
個人情報とパーソナルデータの切り分けが明確化されないまま
利活用を推進すれば当然の結果であろう。


パーソナルデータの利活用ルールの在り方については


 1.適切なプライバシー保護を確保した上での事業者の手続きの簡素化
  保護されるべきパーソナルデータの範囲を見直したとしても、何を保護すべ
  きプライバシーと感じるかは個人の主観に依存するものでもあるため、プライ
  バシーが適切に保護されるか否かは事案ごとに委ねられるものとなる。パーソ
  ナルデータを含むビックデータの利活用を促進する観点から、適切なプライバ
  シー保護を確保しつつ、個人情報の入手時の同意取得、入手後の利用目的の拡
  大や第三者提供、共同利用を行う際の事業者の手続きを簡素化することを検討
  すべきではないか。


これには議論の余地がある。
確かに保護されるべきと感じるプライバシー情報には個人差がある。
例えば、ポイントインセンティブのうほうが価値があると感じる人もいるだろう。
が、一方で個人情報の入手時の同意取得、入手後の利用目的の拡大や
第三者提供、共同利用を行う際の事業者の手続きを簡素化することで
本人関与の機会を失ってはならない。
やはり透明性確保のもとで明確なパーミッションを得るべきと考える。


パーソナルデータの保護を有効に機能させるための仕組みの在り方については


  パーソナルデータの利活用ルールが適切に遵守される仕組みを有効に機能させ
  るため、事業者が自主的に行っているパーソナルデータの保護の取組を評価し、
  プライバシーポリシー等の遵守を徹底させる仕組みを構築していくことを検討
  すべきではないか。また、パーソナルデータの利活用ルールの策定に当たって
  は、国、企業、消費者、有識者等による合意形成が行われるようなルール策定
  プロセスを検討すべきではないか。


つまり社会的コンセンサスを得るために評価機関の設置や
罰則の仕組みづくりが検討されるものと思われる。
さらに評価機関の検討に当たってはPマーク等の既存の認証スキームとの
整理も含めた検討が必要とある。


配布された資料を見る限り
これから検討すべき課題は山積みである。
すでに議論が進んでいるものも含まれるが、かなりの時間を要するだろう。
そうなれば“ビッグデータの利活用”において
パーソナルデータを含む情報の取り扱いには最大限の配慮が必要と思われる。
特に匿名化や暗号化については明確な指針の策定が急がれる。
今後、どのように検討が進んでいくか注視していきたい。



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