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2014/06/26 利活用に潜む影

6月19日にパーソナルデータに関する検討会が取りまとめた
「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱案」では
保護すべき個人情報の範囲や匿名化の手法については
民間の自主規制やマルチステークホルダー・プロセス(MSP)での検討に
委ねられることとなった。

内閣府のサイトによると
多種多様なステークホルダー(利害関係者)が対等な立場で参加し、
協働して課題解決にあたる合意形成の枠組みを、
“マルチステークホルダー・プロセス”と言います。
とあり、現時点では先行きは不透明である。

このような案に至った理由は急激な技術の進展や環境変化に対して
法規制だけでは対応が困難なため
法と自主規制の共同規制を選択したものと思われる。
結果的に、パーソナルデータの利活用における法改正は
枠組みの明確化は図られたが、各論としての定義や手法は先送りとなるようである。
自主規制やMSPにおいては、公平かつ客観的な検討が望まれる。

大綱案にも書かれているが
顔認識データ等の身体的特性に関する情報について
保護の対象となるものを明確化し、必要に応じて規律を定めるとある。
4月に話題となった万引き対策の顔認識情報の共有(第三者提供)を始め
顔認識システムの活用が広がりつつある。
これまでの防犯目的だけでなく
多くの人が集まる場所での情報収集により
今、その場所に、どんな年齢・性別の人が、どれぐらいいるのかを把握し
最適化された情報提供により販促効果やサービスの向上に
結びつけるというものらしいが
顔認識技術の進展には目を見張るものがある。
これまで録画データをトレースしながら探すという非効率な手法に比べ
ピンポイントでデータ検索が可能になることは
犯罪抑止や早期検挙という意味では従来の防犯カメラの比ではない。

筆者の個人的な関心事ではあるが
今後、こうしたシステムが急速に浸透し
あちこちで膨大な顔認識データが蓄積されていくという状況を想像すると
果たしてプライバシーは保護されるのかという不安が頭をよぎる。
この点に関しては早急にガイドラインや規律による規制を願うものである。


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